最近、「ハイラリは別に悪くない」と発声練習をしていて感じました。ハイラリの、鼻にかかった感じは洋楽ロック、いや邦楽ロックでも構いませんが、ロック系の楽曲を歌う時にはカナリ必須な発声方法だと思います。
「ハイラリってそもそも悪い発声」と思われがちですが、要は、ハイラリにも「良い/悪い」があるということです。
「良いハイラリ」とは
聞くのは冒頭の部分だけでいいです。「猫の鳴きマネ」をある歌手がやっているので、そこに着目して聴いてみて下さい!!
▼冒頭の猫の鳴きマネを聴いてみよう!!
コレは、エアロスミスの「Nine Lives」。冒頭の猫の声はスティーブン・タイラー自身の声です。この声、超絶にハイラリです。ハイラリにも「良い/悪い」があるというのは、「力が入っているか/力が入っていないか」という違いです。
猫の鳴きマネをすると自然と「力みのないハイラリ」になる。
通常「悪いハイラリ」の時は喉頭が上がると、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)にすごく力が入ってしまいます。高い声を無理やり出そうとした時に、ちょうどこの部分がリキんでると思います。
「正しいハイラリ」の時はこの2本の筋肉にあまり力が入りません。純粋に、喉仏を上げたり下げたりしてみて下さい。この筋肉に力は入らないですよね。入ってしまう人は、悪い癖が付いています。
「ただのハイラリ」と「猫真似ハイラリ」の違い。
ただのハイラリ発声だと、高域倍音だけしか抽出できていないので「軽い声」なんです。でも、スティーブン・タイラー位まで「猫の鳴きマネ」をマスターすると、もはや芸術の域に達します。
今の僕が考えられる練習方法は、胸鎖乳突筋に力を入れない状態で喉仏を思いっきり上げる練習ですね。筋トレする位の気持ちで思いっきり上げて「筋肉痛」を目指してみて下さい。(※自己責任で)
僕の見解
スティーブン・タイラーの猫の鳴きマネは、間違いなくハイラリです。ただのハイラリと違うのは「太さもシッカリと出ている」という点です。猫の鳴きマネをやってみると解りますが、ハイラリにも関わらず自然とその声の成分に中域倍音が含まれるはずです。
それは、軟口蓋が上がることで、上咽頭腔の空間が広がりそこに響いた声が中域倍音の成分を多く含んでいるんだと思われます。で、鼻の方に行った声は鼻腔共鳴し高域倍音を多く含んだ声になります。僕が発声した感覚ですが。
この2つの声がミックスされることで、「中域倍音を得た程よい太さがありつつも、超絶な高域倍音を得た地声感がある安定した声」になるのではと推測されます。