ミックスボイスを発声するためには練習が必要です。しかし、ただ闇雲に練習をしても、発声することはおろか、感覚を掴むことも出来ない可能性があります。ミックスボイスにはコツがあります。

この記事では、以上の3点を中心に書いていきます。
- 裏声をベースに発声する
- 声帯を閉鎖する
- 鼻腔共鳴を使って地声成分を増やす
■1.裏声をベースに発声する
ミックスボイスの基本は「裏声」です。裏声は喉に負担がかかりにくい発声です。また、高音域が出しやすい発声でもあります。地声では出せない音域でも、裏声なら容易に高さを出せるという方も多いです。
■2.喉仏を上げて声帯を閉鎖する
裏声をベースにミックスボイスを作り上げていることになりますが、ただ裏声の練習をするだけではミックスボイスにはなりません。地声のような強さを出すためには「声帯をしっかりと閉鎖する」必要があります。
しかし、間違った声帯閉鎖のやり方は、喉を痛めやすく、「張り上げ」「締め上げ」など、変な癖がついてしまう原因にもなります。
裏声のまま喉仏を上げてみましょう。以下の音源のような「変な声」になるはずです。なお、この音源のような声質の状態でも、発声している感覚は「裏声」のままです。
■3.鼻腔共鳴を使って地声成分を増やす
上記音源のような声が出せたら、そのまま口を閉じて「ハミング」の状態にしてください。すると、鼻奥の方で声が響いている感覚が掴めるはずです。その響いている感覚を下に降ろさずに口を開けてみましょう。響きのある、地声感の強い声が出せているはずです。
ただ、そのままの声では、響きや地声感があっても「キンキン」しただけの声なので、オペラのような太い声質を、喉を広げて追加してください。
少しだけ響きは下に落ち、声質も柔らかくなりますが、地声感と響きがキープされた「安定感」のある声に変わったのではないでしょうか。それが、ミックスボイスです。
■ミックスボイスを発声している感覚
感覚は、普段話している「地声」とも「裏声」とも違う感覚だと思います。人によっては地声と裏声が「ミックスされた声」に感じるかもしれません。
ミックスボイスというのは、「地声と裏声を混ぜる」のではなく「地声成分が強い裏声」という認識です。ですので、発声の感覚は「裏声」が基準となります。
■シャウトやスクリームはミックスボイスの応用
ハードロック、ヘヴィメタル、色々な楽曲でミックスボイスは多用され、応用されています。以下のようなハイトーンシャウトもミックスボイスの応用です。
余談ですが、ヨーデルもミックスボイスです。裏声と地声を切り替えているように聞こえますが、ミックスボイスと裏声を切り替えているという感覚です。
切り替えているように聞こえますが、換声点のような引っ掛かりはなくスムーズに繋がっています。また、デスボイスも僕の感覚では「ミックスボイスの応用」に感じます。
ミックスボイスが出せるようになると、割と色んな出し方に応用が効くようになります。低音部は地声、高音部はミックスボイスで歌うという考えもありますが、全音域ミックスボイスで歌えるようになると「切り替える」必要性がなくなります。