ミックスボイスを発声するためには練習が必要です。しかし闇雲に練習をしても発声することはおろか、感覚を掴むことも出来ない可能性があります。
ミックスボイスを地声っぽく発声するにはコツがあります。
ミックスボイスを地声っぽくする3ステップ
- 裏声をベースに発声する
- 声帯を閉鎖する
- 鼻腔共鳴を使って地声成分を増やす
1)裏声をベースに発声する
ミックスボイスの基本は「裏声」です。裏声は喉に負担がかかりにくい発声です。また、高音域が出しやすい発声でもあります。地声では出せない音域でも、裏声なら容易に高さを出せるという方も多いです。
もし裏声が出せないということであれば、これだけはなんとか出せるように頑張ってください。あくびをするときの声は裏声になっているはずです。
2)喉仏を上げて声帯を閉鎖する
裏声をベースにミックスボイスを発声することになります。ですが、ただ裏声の練習をするだけではミックスボイスにはなりません。地声のような強さを出すためには「声帯をしっかりと閉鎖する」必要があります。
しかし、間違った声帯閉鎖のやり方は喉を痛めやすいです。また、「張り上げ」「締め上げ」など、変な癖がついてしまう原因にもなります。
裏声のまま喉仏を上げてみましょう。以下の音源のような「変な声」になるはずです。なお、この音源のような声質の状態でも、発声している感覚は「裏声」のままです。
3)鼻腔共鳴を使って地声成分を増やす
上記音源のような声が出せたら、そのまま口を閉じて「ハミング」の状態にしてください。すると、鼻奥の方で声が響いている感覚が掴めるはずです。
その鼻に響いている感覚をキープしたまま口を開けてみましょう。響きのある、地声感の強い声が出せているはずです。
しかし、そのままの声では響きや地声感があっても「キンキン」しただけの声です。そこで、喉を広げてオペラのような太い声質を追加します。
→ファン・ディエゴ・フローレス 「やあ みなさん いい日ですね」 連隊の娘 – YouTube
少しだけ響きは下に落ち、声質も柔らかくなります。ですが、地声感と響きがキープされた「安定感」のある声に変わったのではないでしょうか? それがミックスボイスです。
ミックスボイス発声時の感覚は「裏声」
ミックスボイスを発声しているときの感覚は、普段話している「地声」とも「裏声」とも違う感覚でしょう。人によっては地声と裏声が「ミックスされた声」に感じるかもしれません。
ミックスボイスは「地声と裏声を混ぜる」のではなく、「地声成分が強い裏声」という認識です。なので、発声の感覚は「裏声」が基準です。
巷には「低音部は地声、高音部はミックスボイスで歌う」という考えもあります。ですが全音域ミックスボイスで歌えるようになると「切り替える」必要性がなくなります。
詳しい練習方法はこちら!
切り替えないミックスボイスの具体的な練習方法は、以下の記事をご参照ください。
\ もっと詳しく!/
余談:シャウトやデスボイスはミックスボイスの応用
ちなみに、ハードロック・ヘヴィメタルなど色々な楽曲でミックスボイスは多用され、応用されています。
以下のようなハイトーンシャウトもミックスボイスの応用です。また、デスボイスやヨーデルもミックスボイスの応用です。
とくにヨーデルの場合は発声を切り替えているように聞こえます。しかし換声点のような引っ掛かりはなくスムーズに繋がっています。
ミックスボイスを習得することで、色んなジャンルの楽曲に対応しやすくなります。