あなたの周りにも、生まれつき高い声で歌える人がいますか? 僕の周りにも2人ほど、そういう人がいます。正直、羨ましかった……高い声で歌えるってだけで周りからチヤホヤ!
――あるとき、彼らに話を聞いてみました。すると「天然の人」と「非天然の人」とは、そもそもの発声の感覚が違うようです。
この違いを解明することが、ミックスボイス習得のヒントになるかもしれません。
天然の人は発声を切り換えている感覚がない!?
巷では、先天的に高い声で歌えてしまう人たちを「天然ミックスボイス」と呼んでいます。天然ミックスボイスというのは声を切り換えている感覚がないそうです。
もともと高い声が出せる人に「ミックスボイス」や「換声点」について聞いてみると、「その言葉自体知らない」ということも多いです。
以前、TV番組で小田和正さんが「声変わりしたことがない」とおっしゃっていたような気がします。
また、こちらの動画がきっかけで、2011年7月にスター☆ドラフト会議に出演した越山元貴さんも動画のコメントで「高い声の練習をしたことはない」とコメントをしていた記憶があります。
お二人の発言から考えられるのは、「天然ミックスボイスの人=生まれつき裏声を地声っぽく出せる人」ということです。
天然の人は話し声がミックスボイス化してる?
これは僕の考えですが、「天然ミックスボイスの人は、話し声がミックスボイス化している」ように聞こえます。一例として、下の動画をお聞きください。
例1:スティーブン・タイラー
個人的な好みで、エアロスミスのスティーブン・タイラーを例に挙げます。
二つの動画を聞き比べると、話し声がかなり歌声に近いです。加藤浩次さん、テリー伊藤さんの話し声が「地声(話し声)」なのに対し、スティーブン・タイラーの話し声は「芯のある裏声(ミックスボイス)」に聞こえます。
例2:TOSHI(龍玄とし)
また、X JAPANのTOSHI(龍玄とし)さんも、話し声がミックスボイス化している一人だと考えています。以下、2つの動画を聴き比べてみましょう。
スティーブン・タイラー同様に「話し声」と「歌声」が、やはり同じに聞こえます。
・ ・ ・
上述した、小田和正さん、越山元貴さん、スティーブン・タイラー、TOSHIさんは、天然ミックスボイスの人たちでしょう。
天然ミックスの人の話し声=芯のある裏声
↓
芯のある裏声=ミックスボイス
↓
ミックスボイス=裏声を地声っぽくした声
つまり、裏声を地声っぽく聞こえさせることが、天然ミックスボイスの人の感覚に近づく秘訣と言えるかもしれません。
そもそも、「天然ミックスボイスの人」と「切り換えミックスボイスの人(非天然)」の感覚はどのように違うのか?
それぞれの発声の感覚をイメージ図にしてみました。
「天然ミックス」と「切り替えミックス」の違い
まずミックスボイスができていない状態のイメージです。ミックスボイス未完成だと、このように中間地点で換声点が発生します。

切り換えミックスボイスのイメージ
次は、非天然の人に多い、切り換えミックスボイスのイメージ。換声点をなるべく目立たないように馴染ませて発声します。

「低音域は地声、高音域はミックスボイス」で発声しますが、習熟度が低いと換声点で声質の変化がわかりやすいです。音域ごとに違う別々の声質を馴染ませるのは、かなりの練習が必要です。
天然ミックスボイスのイメージ
最後、天然ミックスボイスのイメージです。天然の人は換声点を感じていません。つまり「天然ミックスボイスに換声点はない」と言えます。ミックスボイスの究極の理想形です。

このようにミックスボイスの最終形態は「換声点を感じないように発声する」ことでしょう。切り換わるポイントがないのでスムーズに発声できます。
――じつは非天然の人でも、天然ミックスボイスの感覚で発声することができるようになります。
天然ミックスボイスのような感覚で歌うには?
事実、僕は歌っているときに切り換えていないので、換声点が発生しません。天然ミックスボイスで歌っている人に近い感覚といえるでしょう。
練習方法はシンプルで……
- 裏声を発声する
- 裏声を鼻にかける
- 喉を広げて太さを追加する
これだけです。詳しくは以下をご参照ください。